Origin 名門もと牛の血統「但馬牛」

1│ 風土
但馬牛のふるさとは、日本海に面し、平野が少ない兵庫県北部の山地・但馬地方。その起源は古く、平安時代初期に書かれた「続日本紀」にも但馬牛についての記述が見られます。
小柄で引き締まった身体をもち、狭い棚田で農作業や荷物の運搬に小回りよく動けるために重用されてきた但馬牛。
昼と夜の気温差が大きく、夜露が降りるこの地方で育つ柔らかい牧草と、またミネラル分豊富な水のおかげで、但馬牛特有の肉質が作られました。

風土

2│ 恵まれた資質
薄く弾力に富む皮膚と、羽毛のように柔らかい毛、引き締まった筋肉をもつ但馬牛。肉の味のよさはもちろんのこと、骨が細く皮下脂肪が少ないため可食部が多く、まさに食用には最高の資質に恵まれた品種です。
その血統からは、性質温順で、身体つきも気立てもよい牛が代々生まれ、しだいに但馬地方のみならず兵庫県内各地で飼育されるようになりました。
3│ すぐれた遺伝力
但馬牛には強い遺伝力があり、全国の和牛品種改良の「もと牛」として使われています。なかでもとくにすぐれた資質が固定している系統を「つる」と呼び、その系統から生まれた牛を「つる牛」と呼んでいます。
但馬牛には「あつたづる」「ふきづる」「よしづる」の三大つる牛が現存しており、優れた特長を代々受け継ぐ牛として君臨しています。

すぐれた遺伝力

4│ 純血の伝承
「もと牛」として重宝され、現在国内各地の銘柄牛に受け継がれるようになった但馬牛の遺伝子。そんな中、但馬牛は今もなお他府県産の和牛との交配を避け、完全な純血を守り続けています。
大切な遺産「但馬牛」そして「神戸ビーフ」を守ろうとする農家の愛情と誇りに支えられ、世界に誇る品質が伝承されていくのです。